こんにちは。R86plusAブログの時空です。生産管理とは製造業の経営学である。 製造業のビジネス(ものづくり)は「製品開発」「生産」「販売」の流れとなっています。
「製品開発」とは製品の企画や設計・試作など、どうやって作るかの打ち合わせをします。「生産」とは、製品開発によってまとめたアイデアを製品として生産する段階です。それに「販売」まで含めたものをまとめて「ものづくり」と言います。
企業の競争力は市場でお客様に選ばれ、利益を生み出し続ける源泉と言えます。企業の競争力の一つに価格という物差しがあります。価格付けはまず何より黒字にする、つまり利益を出す事が大事で、どのような商品を取り扱っていても利益が出るように価格設定をすることが大事であると言えます。
経営学には4Pという考え方が存在します。その一つが今、話題にした価格(Price)です。さらに、製品(Product)、流通と販売(Place)、販売促進(Promotion)があります。この4つの頭文字を取って4Pまたはマーケティング・ミックスといいます。
良い製品を安い価格で洗練された販売網を使用してお客様に広告で知らせる、といったところでしょうか。この競争力の元となる4Pを下から支えるのがQCDです。4Pまたはマーケティング・ミックスはお客様から見える位置にある基準ですが、QCDはお客様から直接的に見えない基準となります。
QCDは、品質(Quality)、Cost(コスト)、Delivery(納期)、の3つのキーワードの頭文字を取ったもので、消費者から直接目に見えない価値となっています。言わば、満足できる高品質な商品を安い製造コストで納期までに生産する、といったところです。
今回、僕が勉強した範囲はそれに加えて、すり合わせ型と組み立て型という話もありました。
すり合わせ型は従来の自動車のように複雑な組み合わせで複数の部品を組み立てる方法です。すり合わせ型ではそれぞれの部品が専用の部品となるので、他のメーカーの部品と取り替えるということは現実的ではありません。
一方、組み立て型は、パソコンや電気自動車のような部品が業界で統一されていたりするような、別々のメーカーの部品同士であっても相互に取り替え可能であったりするものです。しかし、デスクトップパソコンいわゆる持ち運びできない固定型のパソコンは組み立て型ですが、ノートパソコンのように取り替えが困難な部品を使ってできる一つの製品はすり合わせ型です。
ここまで見てきて経営学は一見すると当たり前のことを理論としています。例えば、4Pは、価格、製品、販売経路、広告、などが製品の競争力だと言えます。ここで、僕は4Pとは製品に関する競争力であり、製品の価格、製品自体、製品の販売経路、製品の広告など、戦術としての競争力であると評価できます。
一方、QCDは製品としての競争力はもとより、企業としての視点から見ることが可能であると思います。企業の品質管理、企業の製造コスト、企業体質としての納期、などなど。
例えば、僕の住んでいる日本では、高品質な商品を安く提供するという価値観で、安くて質の良いものを提供していました。
ここで、トヨタ自動車の話をしたいと思います。トヨタ自動車は言わずと知れた日本を代表する企業です。僕の記憶によると、間違っている可能性はありますが、年間の自動車売上台数は約1000万台であったと思います。この売上は世界的に見てもトップレベルで世界で戦っている企業だと言えます。
そのトヨタ自動車も現在では電気自動車や水素自動車のような今までのガソリン車でない自動車を製造する必要に迫られています。ポイントの一つは地球環境に関してです。京都やパリで有名なCO2削減の会議がありましたが、ガソリン車はCO2を増やすと槍玉にあがっています。
そこで、トヨタのみならず世界中の自動車会社が京都やパリの会議などの規制を克服するためガスの出ない電気自動車を製造し始めました。日本では、すり合わせ型の複雑な作りの自動車を開発するのが得意でしたが、アメリカなどでは、電気自動車のような統一された部品を組み合わせる組み立て型の製品が優位な状況となってきています。
トヨタの4PやQCDは世界でもトップレベルで今まで商売してきたのですが、環境規制一つで競争環境は様変わりしてしまいます。すり合わせ型の自動車をこれまで大量に作ってきて、多くの様々な特許やノウハウを築いてきたはずですが、環境に悪いというだけでその4PやQCDは簡単に崩れ去ってしまうこともあります。
しかし、トヨタの場合は今まですり合わせ型の複雑な製品を作ってきたので、シンプルな部品を組み立てるだけの電気自動車なら製造するのも難しくはないはずです。それよりは、自動運転のような人工知能のソフトウェアを用いた時代の変化のほうがより困難となる可能性を秘めています。
ここで、経営学に数式を導入したいと思います。4Pは「価格」「製品」「販路」「販売促進」であったと思います。しかし、ある製品の価格が上がったとき、製品を良くするために価格が上がったのなら、価格が上がれば、製品が上がる、という正の相関ができます。
一方、価格が上がったとき、製造の費用が一定なら、販路や販売促進は上がるかもしれませんが、製造費が増えたため、価格を上げたなら、販路や販売促進に回す予算は少なくなるかもしれません。販路や販売促進が下がるので、これは負の相関です。
仮に、価格1=製品1、販路1=販売促進1、とすると、価格 / 販売促進 = 製品 / 販路、となります。ここで、販売促進で広告費を1.2倍にすると、価格が一定なので、製品 / 販路 = 1 / 1.2となり、1.2x製品=1x販路=1×1で、製品が0.833倍になる。
つまり、20%悪くなるか、1.2x製品=1.2×1=1x販路となり、販路が20%良くなることでバランスが取れる。これが何を意味するか今後考えてみたい。ただし、この数式は最初の前提から間違っている場合もあるので悪しからず。
さらに、QCDを数式にして、4Pとの関係性などを考えてみるのも面白いかもしれません。もし時間があれば少し考えてみてもいいかも。大発見!!・・・があるかも。ではでは。
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